高齢者ケアの移り変わり

介護職は離職率が高い傾向にあることが問題になっている。その理由の1つとしてあげられるのが残業の多さだ。介護は、高齢者の介助を行ったり、日常生活のサポートを行っていくことが仕事である。そのため、24時間体制で見守りを行わなくてはならない場合も多いのだ。

特に、認知症によって予想がつかないような行動を起こしてしまう高齢者に対応するためには、四六時中、目が離せないということもある。そのため、介護は仕事量が多く、仕事内容に限りがないといっても過言ではない。だから、忙しくてハードな仕事といわれているのだ。少ない人員の中で多くの仕事を臨機応変にこなさなくてはならないため、必然的に残業も多くなってしまうのである。ハードさが原因でどんどん人が離職していけば、さらに定時で帰ることは難しくなるだろう。

家事や育児など、プライベートと両立しながら働きたい人にとっては、介護の仕事を続けることは困難だろう。そのため、辞めてしまう人が多く、スタッフ1人にかかる負担が大きくなり、残業がより増加するという悪循環に苛まれているのだ。この悪循環を断ち切るためには、職場環境を改善する必要がある。たとえば、フルタイムで働く人だけでなく、短時間勤務の人を積極的に採用すれば、プライベートと両立しながら働くことができる人が増えて、働きやすい環境になるだろう。また、収入面での改善も必要である。仕事内容に見合った高い給料がもらえれば、働きたいという人も増え、離職率も低下していくだろう。近年では、介護業界に政府サポートが介入してきているため、きっともっと働きやすくなることが予想される。